2023.12.07
多剤併用(ポリファーマシー)について
#院長ブログ

薬をきちんと飲むのはいいことです。
しかし薬を飲むのが大変なときはないでしょうか?
(私でも花粉症の薬を飲むのでさえ負担に感じる時があります)
患者さんのお薬手帳を見て5種類、時には10種類近い薬が処方されている時があります。
また、高齢者が転倒するという場面に時おり遭遇します。
実は高齢者の約40%に薬の影響による可能性が指摘されています。
降圧薬の効きすぎによる血圧低下、睡眠導入剤によるふらつきなどです。
転倒は骨折してしまうこともあるため、注意が必要です。
転倒は飲んでいる薬の数と関連があり、5-6種類以上になると転倒リスクが上がります。
このような事情があり、昨今は5種類以上の内服薬があることを多剤併用(ポリファーマシー)と読んでいます。
とはいえ訪問診療を開始して診療を引き継ぐと、複数の科からも含めると10種類以上の内服薬がある場合もあります。
このような場合、だいたい患者さんや家族さんも「薬を飲むのが大変」と言われる場合が多く、優先順位を確認しながら薬を減らしていけます。
大概は5種類以内に減らせる場合が多いです。
高齢になると心不全を合併していることも多く、水分制限がある場合もあり、いくら薬を飲むためとはいえ飲む水分も多くなります。
そのため、薬はやはり減らせるとよいかと思います。
もちろん「薬を飲み続けることが治療だ」と考えている方もいらっしゃいますので、無理強いせず相談していければと考えています。
参考:https://www.koureisha-jutaku.com/20191218_04_1/?login=after#20242818352